広告効果を最大化する3つのポイント

1.パートナーとなるにふさわしい広告代理店を選択する

多くの企業は、自ら広告制作をするのではなく、広告代理店に委託しています。その場合にまず気をつけるべきは、大きな広告効果を生み出すには、経験豊 富なスタッフがいる広告代理店へ委託するべきだということです。

まず各々の代理店の特徴を調べましょう。規模が大きな代理店が必ずしもすべての企業の要望を叶えられるとは限りません。特定の媒体の購買力に優れて いる、制作部門の機動性が高い、メディアミックスの提案力が良いなど、代理店には様々な特徴があり、企業の規模や取ろうとする戦略によってベストなパー トナーは異なってきます。

2.課題や目標などの情報を共有化する

広告効果を最大限に活かす提案をするには、広告代理店がクライアントにおけるビジネス上の課題を知っていなければなりません。もし、現在取引のある広 告代理店があれば、御社ブランドのビジネス上の課題、もしくは広告展開の成功基準を把握しているかヒアリングしてみましょう。もし認識にずれがあるような ら、ミーティングを行なって情報を共有するか、もしくは他の広告代理店に変更することを検討してもよいでしょう。

3.測定可能な成果目標を設定する

広告には、定量的目標と定性的目標の2つの側面があります。定量的目標とは、業績の向上や消費者の行動の変化など、数値計測可能な目標のことです。 他方、定性的目標には、ブランドに対する消費者の態度や認知を変えるものが含まれます。

定性的目標の達成度を測ることは非常に難しく、ともすれば無理な目標を追い求めてしまうことにもなりかねません。定量的目標を設定することにより、正確 な達成度を把握ことができ、結果的に大きな広告効果をもたらすことができるようになります。さらに、定量的目標の中でも「利益向上」をキャンペーンの目標 に設定すれば、より大きな業績向上が期待できます。

理屈でなく感情に訴える

広告の役割は、「商品に興味のある人を集める」ということです。そのために有効な手段は「感情に訴える」ということです。特に不況時に求められる広告は、 人々の感情をゆさぶるようなものの効果が高くなります。「 家賃が相場より20%低いマンション 」というキャッチコピーよりも「 いつまで高い家賃を払い続ける つもりですか? 」というキャッチコピーの方が、消費者の心には届くのです。

人々の感情に訴えるキャンペーンは論理的、説得調なキャンペーンよりも効果的であることは、数値が示しています。

クリエイティブ・ブリーフの必要性

競合他社との価格や流通、商品内容、品質といった要素がほぼ互角である場合に、広告のクリエイティブ力が大きな差となって現れる場合があります。期待 を超える成果を生む広告を制作するために必要なのが、クリエイティブ・ブリーフの作成です。クリエイティブ・ブリーフは、クライアントが広告代理店に提供す る最も重要な情報源ともいえます。

記載される内容によって、マーケティング戦略、クリエイティブの方向性、メディア・ミックスの予算配分など、クライアントと広告代理店の間で共通認識を持っ ておいたほうがそうでないよりはるかに効果的に広告戦略を展開させることができます。

クリエイティブ・アイデアを正しく評価する

広告代理店から提案されたクリエイティブ・アイデア評価を下すのは難しい作業です。提案されたクリエイティブ・アイデアが企業の目標達成につながるかどう かを判断するためには、想像力、スキルの他、時には勇気が必要とされる場合もあります。

クリエイティブ・アイデアを評価するに当たっての判断力を磨くために、以下のアドバイスをご参照ください。

  • 広告代理店とのミーティングには笑顔で出席しましょう。クリエイティブ・スタッフが盛り上がれば、より多くのアイデアが生まれるでしょう。また、提案されて いる内容もさらにブラッシュアップされるでしょう。
  • マーケティング・ブリーフやクリエイティブ・ブリーフを参考にしながら、アイデアの内容を精査してください。クリエイティブ案のプレゼンテーションの場には、 ブリーフの承認者が同席するのが望ましいでしょう。クリエイティブのアイデアがビジネスの課題解決につながるかどうか、ブランドに寄与するかどうか を判断してください。
  • 優れた広告は、ブリーフの内容を凌駕するはずです。広告には独創的な飛躍が必要なのです。広告は「ソリューション」であり、ブリーフは「ソリューション を導くもの」です。
  • プレゼンテーションの前に非公式なミーティングをもって、提案される案をあらかじめ確認しておければ理想的です。アイデアは、より早い段階の方が修正 しやすいからです。
  • クリエイティブ・スタッフとランチをともにするなど、人間的な交流を図りましょう。クリエイティブ担当者の思考の傾向を知り、どのような広告が好きかを知 れば、彼らが貴社のために何を達成しようとしているかが把握できます。
  • クリエイティブ・アイデアは「表現アイデア」とは別のものです。もし提出された案に違和感がある場合は、違和感の根拠がアイデアなのか表現なのかを はっきりさせましょう。新しい表現案を考えるのは簡単ですが、クリエイティブ・アイデアそのものを刷新するのは時間がかかります。 以下の点にとくに注意してください。
    • そのクリエイティブ・アイデアは知的か?
    • そのクリエイティブ・アイデアは斬新か?
    • はっきりした特徴をもっているか?
    • ブランドを正確に表現しているか?
    • 信頼に足るものか?
    • キャンペーンとして発展可能か?
    • 持続性があるか?
  • 提出されたアイデアをめぐって、どんどん質問をしましょう。アイデアのインスピレーションは何だったのか?ほかのメディアではどのような展開が可能 か?改善点はあるか?もし時間があったらどこを変えるべきか?...そういった質問は、クリエイティブ担当者を刺激することになります。優秀なクリエイティブ・スタッフなら、難しい質問にも答えられるはずです。逆に、「はい」か「いいえ」で答えられるような単純な質問はすべきではありません。そのような 質問は、アイデアを弱らせてしまうでしょう。
  • 自分をよく知ることが大切です。クリエイティブ案を最初に見た時の反応は、間違いなく主観的なものです。「これは好き」「これは好きじゃない」...こういう 判 断は決して悪いものではありませんが、そこには何らかの要因が働いているはずです。その要因について考えてみてください。同僚に何を言われるかわか らないと気にしてはいないでしょうか?消費者の立場に立ち、消費者の目でクリエイティブ案を見ているでしょうか?
  • 出された案が「よくわからない」のは、悪いことではありません。効果的な広告は常に革新的かつ特徴的であり、どこかで見たことがあるようなわかりやす い広告は、それほどの効果をもたらさないものです。広告代理店に斬新なアイデアを提案してもらいたいなら、思い切って「安全地帯」から遠ざかるべきです。
  • 正直になることが大切です。煮え切らない態度を取ったり、場を丸く収めようとしたりしてはいけません。出された案に満足できないならば、それが本当に ベストなアイデアなのかどうかをクリエイティブ担当者に聞きましょう。クライアントが不満に感じていると知れば、担当者は次回のミーティングまでに新しい案を考えてくるはずです。
  • 反省する時間も必要です。自分に対する「HOW(どのように?)」という問いかけは、それが建設的なものならば、たいへん有効です。どのようにアイデア を採用すべきか? どのように改善すべきか?どのようにすればよりよい案になるか?そういったことを自身に問いかけてみましょう。
  • クリエイティブ案をめぐる感想を書面にしてみましょう。文章を書くことで考えが定まるのはよくあることです。また、書面にすれば、広告代理店側への要望 も明確になります。

パトリック・コリスター『Judging Creative Ideas(クリエイティブ・アイデアを評価する)』より抜粋

承認工程の短縮化を図る

アイデアが固まったら実際の制作に入りますが、クライアントは広告代理店からの提案を確認し、承認を与えて進めていくことが必要になります。製作段階に 応じて、確認すべきことは以下のとおりです。

企画段階のコンセプトチェックでは、広告が発信するメッセージの世界観や伝えたいベネフィットがターゲットの価値観と一致し、魅力を訴求できているかを検 証します。

次ステップのクリエイティブチェックではコピー、ストーリー、ビジュアルなどの広告表現の評価と、企業ブランド・商品ブランドに対する評価・態度への影響を 確認します。

また、承認に関わるスタッフの数を減らし、最終的な承認決定者を決めておくことは、承認プロセスの短縮につながります。クリエイティブ案が承認決定者に届 くまでに何人ものスタッフの承認を経る体制になっていると、闇雲に案を却下されてしまうケースが多く、修正点が増える傾向にあります。結果として時間やコ ストの浪費とクオリティの低下に結びつきくおそれがあります 。

賢い事前調査の活用方法

広告の媒体費や制作費に多額のお金を費やす前に事前調査を行うことには様々なメリットがあります。

事前調査の目的は、ターゲットに提供する価値やベネフィットを的確に伝え、理解・関心を獲得し、購買を喚起するための広告のプランニング、制作を支援す ることです。

多くの場合、グループインタビューやCLT調査などで広告を提示して、広告が効果的に商品の魅力を伝え、ターゲットの行動を喚起できるかどうかをチェックし ます。

チェック項目

  • 広告メッセージ・訴求ポイント は適切か
  • 広告メッセージ・訴求ポイントに共感するか
  • 広告評価 (イメージ、好感度)
  • 商品に対する理解、関心 は深まったか
  • 商品の購入意向の喚起はされたか など

広告予算を有効的に配分する

1.無意味な制作費の削減は逆効果

広告は、常に消費者がブランドに寄せる期待以上のクオリティを保ち続けなければいけません。制作費の無駄を省くことは必要なことですが、一元的なコスト の抑制は、クオリティの低下をまねきます。短期的に経費は削減できるかもしれませんが、結果としてブランドにとって大切な顧客を競合他社に奪われてしま いかねません。

2.広告予算は全方向チャネルへ

マーケティング・コミュニケーションにおいては、媒体間のシナジーを発揮させることが有効です。広告やセールス・プロモーションなどの要素を単独で展開す るのではなく、相互に有機的に連動させながら展開するのです。

例えば、アメリカのオンライン・パブリッシャの業界団体Online Publishers Association(OPA)が行ったオンライン広告とテレビ広告の相乗効果についての調査 によると、オンライン広告とテレビ広告を組み合わせた方が、どちらか一方より記憶に残るという結果もでています。オンライン広告とテレビ広告を組み合わせ た場合の認知度は32%、テレビ広告のみでは23%でした。

3.低価格なメディアを活用する

ブログやSNSでの口コミや、無料や安価に利用できる配信システム・媒体を広告に活用した場合は、広告枠を買い取る費用も節約できます。従来は広告コストの大半が枠を買い取る費用になっていましたが、それを低く抑えることで、制作費にまわす割合が多くなり、クオリティの高い広告が可能になります。

広告活動の効果を見極める

広告の短期的効果と長期的効果を把握することで、現在行なっているもののうち、どの媒体が引き続き有効であり、どの媒体が早晩効果が薄れるかというこ とを見極めることができます。

効果を計るには、広告投入前の事前調査データをベンチマークにする場合と、広告投入後一定期間の定期的なトラッキング調査を行う方法があります。いず れもコミュニケーション効果と、売上への効果の両面から、広告の影響・効果を検証します。

ターゲットへの広告到達 の調査項目

  • 到達メディアは何だったか
  • 広告評価(イメージ、好感度など)
  • 商品の認知、理解は深まったか
  • 商品への関心、好感 は高まったか
  • 商品の購買意向は喚起されたか
  • 実際の商品購買実態 など

一般的に、売上効果はコミュニケーション効果の測定よりも難しいと言われています。なぜなら、売上は、競合他社の行動や製品特徴、売価など多くの要因 に影響されるからです。